建設現場のITトラブルを迅速に解決―全国を巡回するオンサイト支援で建設DXを推進|大成建設株式会社様

建設現場のITトラブルを迅速に解決。全国を巡回するオンサイト支援で建設DXを推進|大成建設株式会社様


(写真左から)
パーソルコミュニケーションサービス株式会社 第一ITソリューション統括部 第二サービス部 佐々木 雅文
同社 ビジネス本部 営業統括部 営業部 第一営業グループ 吉田 在
大成建設株式会社建築本部 生産技術イノベーション部 生産技術ソリューション推進室 室長 田中 吉史氏
パーソルコミュニケーションサービス株式会社第一ITソリューション統括部 第二サービス部 三浦 拓


全国の作業所を巡回し、その場で課題を解決。パーソルコミュニケーションサービス(以下、CSL)との協業で実現した伴走型ICT支援

建設業界ではデジタル化の進展に伴い、現場で利用するITツールやクラウドサービスが急速に増加しています。一方で、「使い方がわからない」「トラブル発生時に相談できない」「本社と現場の距離が遠い」といった課題は少なくありません。大成建設様では、こうした課題を解決するため、全国の作業所を直接訪問してサポートを行う「ICTキャラバン隊」を展開しています。現場に寄り添う独自の支援スタイルは、建設DXを推進する重要な役割を担う存在へと成長しています。今回は、ICTキャラバン隊の立ち上げ背景や活動による成果、そして今後の展望についてお話を伺いました。

ご支援前の課題

新型コロナウイルスにより、ICTヘルプデスクが電話受付を停止したため、問題解決までに時間を要していた

ご支援後の効果

ICTキャラバン隊による現場への直接訪問サポートにより、ITトラブルをその場で迅速に解決できる環境づくりに貢献

ご支援前の課題

全国約300のプロジェクトに即時対応しきれず、現場支援の体制やリソースが不足していた

ご支援後の効果

組織的な全国巡回体制とCSLによるヘルプデスク支援を組み合わせることで、サポート領域と提供価値が拡大

ご支援前の課題

本社と現場の距離が遠く、ITツールへの苦手意識や「誰に相談していいかわからない」という不安や孤独感があった

ご支援後の効果

現場に寄り添う親身な声かけや伴走により信頼関係が生まれ、現場の満足度や業務のモチベーションが向上した

導入前の課題

デジタル化の始まりとともに見えてきた、現場支援の必要性

ICTキャラバン隊の原点は、約16年前の建設現場にあります。当時はまだ紙中心の業務が主流であり、建設現場でスマートフォンを活用すること自体が珍しい時代でした。その中で、大成建設株式会社の田中氏(以下、田中氏)は建設現場でiPhoneを業務利用した初期の世代として、現場のデジタル化を体験してきました。「16年前はクラウドという言葉すら浸透していませんでした。当時の現場は紙が当たり前でしたが、建設現場でもこれからはデジタルで仕事をする時代になると言われ、私自身が最初にiPhoneを持って現場で活用する役割を任されたんです」と田中氏は振り返ります。現場でデジタル活用を実践する中で、田中氏は本社側のサポート担当者からITの知識や活用方法を学びました。その経験がきっかけとなり、本社へ異動後は“今度は自身が現場を支援する”立場へと変わりました。

当初は田中氏一人で全国のプロジェクトを支援していたといいます。しかし、デジタル化が進むにつれて現場から寄せられる相談は増え続け、より組織的な支援体制の必要性が高まっていきました。さらに大きな転機となったのが、新型コロナウイルス感染拡大です。感染対策として従来のITサポートセンターによる電話受付を停止する一方、Web会議やオンライン活用は急速に拡大しました。現場ではこれまで以上にIT支援が求められる状況となったのです。


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「上司から『現場へ行かなければ誰がWeb会議をサポートするんだ』と言われました。そこで私たちはコロナ禍でも全国どこでも訪問できる体制を整えました。今振り返ると、ICTキャラバン隊が本格的に組織化された大きな転換点だったと思います」と田中氏は語ります。こうして現場課題を直接解決するオンサイト型支援組織として、CSL社員が加わり、ICTキャラバン隊の活動が本格的にスタートしました。

取り組み

「現場へ行く」ことにこだわったオンサイト支援体制を構築

ICTキャラバン隊の最大の特徴は、電話やメールだけではなく、実際に現場へ足を運んでサポートを行うことです。現在は全国各エリアにメンバーを配置し、複数の作業所を巡回しながら支援を実施しています。従来の電話サポートでは、利用者の説明だけで状況を判断しなければなりません。しかし、実際には画面の状態やネットワーク環境など、現地でなければ把握できない情報も多く存在します。「電話やメールのサポートと比べると、現場へ行った方が圧倒的に早いんです。画面も見られるし、相手の表情もわかる。実際にその場へ行くと、すぐに原因がわかるケースが本当に多いですね」と田中氏は話します。一見すると移動時間や交通費が発生するため非効率に思えるかもしれません。しかし、大成建設様では現場での業務停滞による影響を考慮すると、十分な投資対効果があると考えています。「片道3時間かけて訪問しても、現地で30分あれば解決できることが多いんです。費用だけを見るとコストに見えますが、現場が止まることによる損失を考えれば、その価値は非常に大きいと思っています」と田中氏は語ります。

また、現場との信頼関係づくりも重要なテーマでした。ICTキャラバン隊のCSL三浦は、活動初期を振り返りながら、次のように話します。「もともと人と積極的に話すタイプではありませんでした。ただ、待っているより自分から聞いて回った方が早く現場に馴染めると思い、困っていそうな方がいたら積極的に声をかけるよう意識しました」

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CSLの佐々木も挨拶の大切さを強調します。「初めて行く現場では、とにかく挨拶を徹底しました。できるだけ多くの方に声をかけることを意識していたら、別の現場を紹介していただくことも増えていったんです」こうした地道な活動を積み重ねることで、次第に現場との距離は縮まっていきました。「現場によっては、キャラバン隊の席を用意してもらえるようになりました。本社の人間ではなく、現場の仲間として受け入れていただけるようになったことは大きかったですね」と振り返ります。

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導入効果

現場訪問により、課題解決の迅速化と現場満足度向上を実現

ICTキャラバン隊の活動によってもたらされた最大の成果は、問題解決スピードの向上でした。建設現場ではITトラブルが発生すると、業務全体に大きな影響を与える可能性があります。小さな問題であっても、相談先がわからず長期間放置されてしまうケースもありました。しかし、ICTキャラバン隊が直接現場へ訪問することで、多くの問題をその場で解決できるようになりました。「現場の人たちは今すぐ解決したいんです。ITトラブルが放置されると、1カ月、2カ月そのままになってしまうこともあります。私たちはそれをその場で解決できるので、そこに大きな価値があると思っています」と田中氏は話します。「ありがとう」と言われることが本当に多いんです。『また来てほしい』と言っていただけることもあります。そうした言葉はメンバーのモチベーションにもなっています。さらに、CSLとの協業により、全国展開できる組織体制も構築されました。「以前は私一人で対応していましたが、CSLを含め仲間が増えたことで提供できる価値が大きく変わりました。人が増えることで全体の価値は何倍にもなると実感しています」と田中氏は評価します。

現在では若手メンバーも育成が進み、各地域で活躍しています。2週間に1回の勉強会や定期面談を通じて、メンバー同士が相談しながら成長できる環境づくりを行っています。また、ICTキャラバン隊の活動を組織として定着させるうえで、大きな役割を果たしているのが「生産性向上新聞」です。田中氏は約10年前から生産性向上新聞の発行を続けており、現在では120号を超えています。新聞にはICTキャラバン隊の活動内容や現場事例、メンバー紹介、最新のデジタル活用情報などが掲載されており、社内に向けた情報発信の重要な媒体となっています。

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「最初は学級新聞のような感覚で始めましたが、10年続けたことで会社のデジタル化の歴史そのものになりました。今振り返ると、この新聞を見るだけで大成建設の働き方がどう変わってきたかが分かります」と当時を振り返ります。あえて紙媒体を活用していることも特徴の一つです。建設現場では、デジタルツールに慣れている社員だけでなく、紙の資料を好むベテラン層も多くいます。そのため、社内イントラネットだけではなく、紙で手元に届く形を残すことで、幅広い世代へ情報を届けられるよう工夫しています。現在では、海外プロジェクトへ展開するほか、社内イントラネットでも公開しています。また、記事作成にあたっては複数のメンバーによるレビューを行い、客観的な視点を取り入れながら発信を続けています。こうした継続的な情報発信は、ICTキャラバン隊の活動を広く認知してもらうだけでなく、「困ったら相談できる人がいる」という安心感を現場へ届ける役割も担っています。

今後の展望

建築部門を超え、グループ全体へ価値を広げていきたい

ICTキャラバン隊の活動は、現在、建築本部を中心に展開しています。しかし大成建設グループには、土木部門やエンジニアリング部門、グループ会社など、まだ十分に支援が行き届いていない領域があります。田中氏は、2030年を見据えてさらなる展開を描いています。「建築だけでなく、土木やエンジニアリング、グループ会社にも同じような課題があります。これからはそうした領域にも支援を広げていきたいと考えています」また、田中氏はICTキャラバン隊の役割について、印象的な表現を用いています。「私はよく『ITの介護サービス』だと言っています。本当は仕事をしたいのに、ITという鎖に縛られて動けなくなっている人がいる。その人たちに寄り添いながら、一緒に前へ進むお手伝いをしているんです」AIや自動化が進んだとしても、人に寄り添いながら支援する価値は変わらないと田中氏は考えています。「現場の人たちが明るく楽しくはたらけることが一番大切です。そのために伴走する存在であり続けたいと思っています」現場へ足を運び、人と向き合い、課題を解決する。ICTキャラバン隊は、単なるITサポートを超えた存在として、これからも大成建設様の建設DXを支える重要な役割を果たしていきます。

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大成建設株式会社 様

事業内容
ビルや商業施設などを建てる建築事業と、ダムや鉄道などのインフラを整備する土木事業を中核とする大手ゼネコンです。さらに、都市再開発や不動産賃貸を行う開発事業、環境対策や工場設計を手がけるエンジニアリング事業なども幅広く展開しています。
設立年度
1917年12月28日
ホームページ
https://www.taisei.co.jp/
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