化粧品・健康食品事業を手掛ける大手メーカーは、「お客さまの最高の満足」を企業活動の中心に据え、通信販売を主力チャネルとして事業を拡大してきました。特に通販事業においては、コンタクトセンターがお客さまとの重要な接点であり、顧客満足度向上だけでなく収益にも直結する重要な役割を担っています。
同社は、地方創生への取り組みとコンタクトセンターの高度化を両立するため、パーソルコミュニケーションサービスと連携。サテライトオフィスを活用したコ・ソーシング体制を構築し、お客さま満足度向上と収益拡大の実現に取り組んできました。
今回は、コミュニケーション戦略部 部長 A氏に、導入の背景や成果、今後の展望についてお話を伺いました。
コールセンターの収益貢献をさらに強化したい
コ・ソーシングにより収益向上と高い応対品質を両立
お客さまに伝わる提案力を高めたい
現場主導の改善活動で提案力・成約率が向上
業務品質の均一化と運営体制の強化が課題
VOC活用と業務標準化による安定運営を実現
背景
お客さまとの関係性を深めるコンタクトセンター運営と地域活性化への想い
同社は、化粧品や健康食品を中心とした事業を展開し、多くのお客さまとの継続的な関係構築を大切にしてきました。特に通信販売では、お客さま一人ひとりとの対話を通じてニーズを把握し、最適な商品やサービスを提供することが重要です。
そのため、コンタクトセンターは単なる問い合わせ対応窓口ではなく、お客さまとの関係性を育みながら収益創出にも貢献する「プロフィットセンター」として位置付けられています。
A氏は次のように語ります。
「私たちのコンタクトセンターは、ご注文やお問い合わせへの対応だけではありません。お客さまのお悩みやお気持ちに寄り添いながら、お一人おひとりに合った商品やサービスをご提案する役割も担っています。」
同社では従来から複数のパートナー企業と協業しながらコンタクトセンターを運営していました。その理由は、外部の知見やノウハウを取り入れることで、顧客対応品質や提案力の向上を図るためです。
一方で、さらなる事業成長を実現するためには、通販コールセンターの応対品質向上だけでなく、成約率やアップセル・クロスセルを含めた収益貢献力の強化も課題となっていました。
さらに同社には、創業の地である地域社会への貢献という想いもありました。地域に新たな雇用を創出し、地域活性化につながる取り組みに積極的に参画したいという考えを持っていたのです。
そのような中で出会ったのが、当社の北九州サポートセンターが推進する「地方創生を実現するサテライトオフィス構想」でした。
自治体と連携しながら地域に雇用を創出し、女性活躍の推進や地域経済の活性化を目指す取り組みに大きな共感を覚えたことが、協業のきっかけとなりました。
導入
サテライトオフィスを活用したコ・ソーシング体制を構築
同社とパーソルコミュニケーションサービスの取り組みは、サテライトオフィス開設プロジェクトへの参画からスタートしました。
A氏は当時を振り返ります。
「地域活性化につながる取り組みとしてサテライトオフィス構想のお話を伺い、非常に共感しました。当社としても地域社会に貢献したいという想いがあり、プロジェクトへ参画することを決めました。」
当初、サテライトオフィスへ委託したのはECサイト利用者向けのカスタマーサポート業務でした。
同社は、Web経由の顧客対応について改善の余地を感じており、お客さまの声を活用したサービス改善や業務品質向上を目指していました。また、業務標準化を進めるためのマニュアル整備にも課題を抱えていました。
そこでパーソルコミュニケーションサービスは、顧客対応だけでなく、VOC(Voice of Customer)分析や業務フロー改善、運用マニュアル作成などにも携わりました。
その過程で、現場視点を取り入れた改善提案や運営体制の強化が実現され、双方の信頼関係は着実に深まっていきました。
こうした成果を受けて、同社はサテライトオフィスの体制を拡大し、通販コールセンター業務そのものの運営も任せることにしました。
しかし、通販コールセンター業務には大きな挑戦がありました。
単なる問い合わせ対応ではなく、お客さまとの対話の中でニーズを引き出し、適切な商品を提案する力が求められるからです。
そこで両社は、日々のコミュニケーションを通じた継続的な改善活動をスタートしました。成約率やクロスセル単価、応対品質などのKPIを共有しながら、本社コンタクトセンターと比較分析を行い、トークスクリプトや提案手法の改善を重ねていきました。
また、商品知識だけでなく、企業理念やお客さまへの向き合い方についても教育を徹底。コミュニケーター一人ひとりが、単なる受託業務ではなく「クライアント企業のパートナー」として業務に取り組む体制づくりを進めました。
効果
応対品質と収益性の向上を両立し、パートナー企業の中でも高い評価を獲得
継続的な改善活動の結果、サテライトオフィスは大きな成果を生み出しました。
導入から約1年後には、成約率、応対品質、単価などを総合的に評価したパートナー企業間の表彰制度において、半期MVPを獲得。応対品質と収益性の両面で高い成果を実現しました。
A氏は次のように評価します。
「当初は提案型の応対に苦戦する場面もありましたが、現在では本社コンタクトセンターと遜色ないレベルまで成長しています。今では一緒に競い合いながら品質向上を目指す存在になっています。」
特に大きかった成果の一つが、コミュニケーターの意識変化です。
A氏がサテライトオフィスを訪問した際には、商品に対する理解やお客さま対応への考え方が本社メンバーと同じレベルで浸透していることを実感したといいます。
「商品知識だけでなく、お客さまへの向き合い方や接客姿勢まで深く理解していました。パートナー企業として同じ方向を向いて取り組んでいただいていることを強く感じました。」
さらに、現場からの改善提案も活発になりました。
顧客ニーズを踏まえた商品提案の見直しや、複数商品の販売効果を比較するABテスト、トークスクリプトの改善提案など、現場視点ならではの提案が次々と生まれています。
これらの提案は実際の販売成果にも結び付き、顧客満足度向上だけでなく売上拡大にも大きく貢献しています。
また、現場の声がリーダー層へ迅速に共有される体制が確立されていることで、改善サイクルのスピードも向上。継続的に成果を生み出す組織基盤が構築されました。
今後の展望
お客さま満足度のさらなる向上と、新たな価値創出を目指して
同社は今後も、「お客さまの最高の満足と信頼」の実現を目指し、コンタクトセンターのさらなる高度化を進めていく方針です。
そのためには、コミュニケーターがより高いパフォーマンスを発揮できる環境づくりが不可欠だと考えています。
現在は後処理業務の自動化をはじめとした業務効率化施策も検討しており、コミュニケーターがお客さまとの対話に集中できる環境整備を進めています。
加えて、コンタクトセンターには問い合わせ対応だけでなく、お客さまの声を収集・分析し、事業成長につなげる役割も期待されています。
A氏は今後への期待を次のように語ります。
「さらなる品質向上に加え、他業界で培われた知見や成功事例など、多角的な視点からの改善提案を期待しています。」
地域創生という共通の理念からスタートした今回の取り組みは、現在では顧客満足度向上と収益拡大をともに目指す強固なパートナーシップへと発展しています。
今後も両社は連携を深めながら、お客さま一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを実現し、さらなる価値創出に挑戦していきます。